震災は長期金利に影響を及ぼす

震災は長期金利に影響を及ぼす可能性がある

東日本大震災の発生を受けて復旧・復興のため財政赤字がさらに拡大することが避けられない。そんな中で日本の経常黒字の持続性(あるいは赤字の可能性)に関する議論が活発化し始めた。

 

というのは、経常収支は国全体として貯蓄と投資のバランスに等しいいため、経常収支が明確な黒字のうちに財政赤字が大きくても、国内の貯蓄がそれを上回り、財政赤字でファイナンス(資金調達)できていることを意味する。賛否両論はあるが、経常黒字が続いてきたことがわが国の長期金利安定の要因とみられてきたのは確かである。

様変わりした経常黒字の中身

経常収支は、財貨の国際取引の収支である「貿易収支」、サービスの国際取引のバランスを示す「サービス収支」、日本が海外に保有する資産からの利子・配当の受け取りと海外投資家が日本に保有する資産に対する利払いや配当の差である「所得収支」、そして国際機関への分担金や寄付・贈与の受け払いを記録する「移転収支」から構成される。

 

それぞれ、何らかの財・サービスに関する国際貿易のバランス(利子・配当も海外に何らかの資産をおいて働かせたことへの報酬と考えれば一種のサービス収支と解釈可能)を測ろうとするものといえる。

 

団塊の世代が引退年齢に近づいたことが意識され始めた10年ほど前から、人口高齢化によって家計貯蓄率が低下し、財政赤字を埋めることが困難になると、日本の経常収支の黒字が消滅するのではないかといケ議論が行われてきた。

 

実際に日本の経常収支がどのように推移してきたのかを、長期的に振り返ったのが図1である。まず第2次石油危機(1979〜80年)を受けて80年に約2.5兆円(対国内総生産〈GDP〉比1.0%)の赤字となった後は経常黒字を維持してきた。

 

急速な高齢化が懸念材料として議論され始めた過去10年についてみても、2000年がリ9兆円(同2.6%)の黒字であったが、円安と欧米景気の好調の下で07年に24・8兆(同4.8%)にまで拡大、リーーマンーショツク後の金融危機でやや縮小したが、それでもなお2%台後半から3%台で推移しており、昨年では17・1兆円、対GDP比では3.6%とむしろ10年前と比較して黒字は拡大していることがわかる。

 

内閣府が05年12月に出したリポートによると、日本は60年代に「未成熟の債務国」↓「成熟した債務国」↓「債務返済国」へと移行、70年代後半から80年代前半には「未成熟の債権国」のステージに至ったと分析している。10年についても貿易・所得収支ともに黒字になっており、日本は「未成熟の(若い)債権国」のステージにとどまっている。

 

だが、過去10年のトレントをみると、貿易収支の黒字が縮小、経常黒字の3分の2は所得収支の黒字に依存する構造に変化しており、貿易黒字がゼロに向かい、「成熟した債権国」に向かう傾向がみられる

 

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